Pdo\Sqlite::createAggregate

(PHP 8 >= 8.4.0)

Pdo\Sqlite::createAggregate SQL 文で使用するユーザー定義集約関数を登録する

説明

public Pdo\Sqlite::createAggregate(
    string $name,
    callable $step,
    callable $finalize,
    int $numArgs = -1
): bool

このメソッドは Pdo\Sqlite::createFunction() と似ていますが、クエリのすべての行を集約する関数を登録する点が 異なります。

この関数と Pdo\Sqlite::createFunction() の最大の違いは、集約関数の登録には 2 つの関数が必要であるということです。

ヒント

このメソッドを使用してネイティブ SQL 関数を上書きすることができます。

パラメータ

name
SQL 文で使用する関数の名前。
step
結果セットの各行を処理するコールバック関数。 この関数は、結果を蓄積して集約コンテキストに保存しなければなりません。

定義は次のとおりです:

step(
    mixed $context,
    int $rownumber,
    mixed $value,
    mixed ...$values
): mixed
context
最初の行では null 2行目以降では、この関数が前回返した値です。 この値で集約の状態を管理します。
rownumber
現在の行番号
value
集約関数に渡されるはじめの引数
values
集約関数に渡されるふたつめ以降の引数
この関数の戻り値を、次の関数呼び出し、または ファイナライズ関数のcontext 引数として 使います。

finalize
すべての行が処理された後で呼び出されるコールバック関数。 ここでは、集約コンテキストからデータを取得して結果を返します。 この関数が返す値は、SQLite が理解できる形式 (すなわち スカラー型) でなければなりません。

定義は次のとおりです:

fini(mixed $context, int $rowcount): mixed
context

ステップ関数の最後の戻り値

rowcount

ステップ関数が処理した行数

この関数の戻り値が、 集約関数全体の戻り値となります。

numArgs
コールバック関数があらかじめ定義済みの引数を受け取る場合に、 SQLite のパーサに渡すヒント。

戻り値

成功した場合に true を、失敗した場合に false を返します。

例1 Pdo\Sqlite::createAggregate() example

この例では、SQLクエリの中で使用できる max_length という名前のユーザー定義集約関数を作成しています。

この例では、max_length という集約関数を 作成しています。この関数はテーブルの特定のカラム内で 最も長い文字列の長さを計算します。 各行に対し max_len_step 関数が呼ばれ、 その際に $context パラメータが渡されます。 この context パラメータには、他の PHP 変数と同様 arrayobject などを格納できます。 この例では、これまでの中で最大の文字列長を格納するために利用しています。 もし $string が現在の最大値よりも長ければ、 context に格納した最大長を新たな値で更新します。

全ての行が処理された後、 SQLite は集約関数の結果を計算するため max_len_finalize 関数を呼び出します。 $context 内のデータに基づいて何らかの計算を行うことも可能です。 この例では、結果はクエリの進行中に計算されているため、 context の値をそのまま返すことができます。

<?php
$data
= [
'one',
'two',
'three',
'four',
'five',
'six',
'seven',
'eight',
'nine',
'ten',
];
$db = new Pdo\Sqlite('sqlite::memory:');
$db->exec("CREATE TABLE strings(a)");
$insert = $db->prepare('INSERT INTO strings VALUES (?)');
foreach (
$data as $str) {
$insert->execute(array($str));
}
$insert = null;

function
max_len_step($context, $row_number, $string)
{
if (
strlen($string) > $context) {
$context = strlen($string);
}
return
$context;
}

function
max_len_finalize($context, $row_count)
{
return
$context === null ? 0 : $context;
}

$db->createAggregate('max_len', 'max_len_step', 'max_len_finalize');

var_dump($db->query('SELECT max_len(a) from strings')->fetchAll());

?>
ヒント

結果の値を context に蓄積し、最後に一括で処理する方法は推奨 「しません」。これは、SQLite のメモリ消費量が大きくなるからです。 仮に 32 バイトの長さのデータが百万件あったとして、 それを蓄積しておくのにどれだけのメモリが必要になるか 考えてみましょう。

参考

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